95.私の中のモノをお話にして外に出す

カオルと 僕と そして今

#7 救急搬送 -カオルと 僕と そして今ー 

テツオの手を握ると、とても冷たい。「ほら、私の手はこんなに暖かだよ」そう言って、テツオの手を私の手で包んだところでドクターが現れた。
カオルと 僕と そして今

#6 バレンタインデーだから -カオルと 僕と そして今ー

今日はバレンタインデーだもの。今日こそは言ってしまおう。この日ならば許されるよね。夕べから私に手をかけさせたのだもの、今夜こそテツオを抱きしめて、はっきり「愛してる」と言おう。
カオルと 僕と そして今

#5 夜間専用入口 -カオルと 僕と そして今ー

夜明けは近いものの、まだまだ太陽が出てきそうもない暗闇の中、テツオを助手席に乗せて地図を見ながら走り出した。夜間専用入口から薄暗くて人気のない病院の中に入ると、 しばらくして眠そうな先生が現れてテツオは診察室の中に入って行った。
カオルと 僕と そして今

#4 帰るコール -カオルと 僕と そして今ー

たった数日テツオに会えなかっただけで、私は飼い主を待つ子猫のように、一日中ソファーの上で見る気も無いテレビをぼんやりと見つめていた。会いたくて会いたくて、とても寂しかった。テツオがもしもいなくなってしまったら、私も消えてなくなってしまうのだと思う。
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#3 フォルクスワーゲン・ゴルフ -カオルと 僕と そして今ー

マンションのエレベーターで荷物を運んでいる時も、車のキャリアにスキー板を積んでいる時も、私はこっそりと、どうやってテツオに抱きついてしまおうかと考えを巡らしていたのだった。
pic story 

pic story 小さな命の物語 -アゲハ蝶ー

季節はずれの山椒の苗木にアゲハ蝶の幼虫を見つけました。羽化した蝶を寒空に放していいのかどうか。でも蝶として生まれた限りは自由に空を飛びたいよね。
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#2 照らし出された駅のホーム -カオルと 僕と そして今ー

2月の始発に近い早朝の電車を利用する人達は、いったい何をしに、どこへ行くのだろう?僕はそんな謎の人達と同じ時間の電車に乗り、カオルの待つ部屋に急いだ。
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#1 夜明け前の電話 -カオルと 僕と そして今ー

いま、あの朝のカオルからの電話が鳴ったとしたら、僕はやっぱり受話器を取るだろう。僕はカオルが僕を選んだことを誇りに思う。たとえどんな状況であったにしろカオルは僕を選び、僕は夜明け前の電車に飛び乗った。